こんにちは、わびさびです。
前回の記事では国民年金の保険料のお得な払い方について解説しました。
国民年金に入っていると、老後に年金がもらえると思いますが、実際にどんなメリットがあるのでしょうか?
ファイナンシャルプランナー2級の資格を持っている筆者が、年金初心者の方にもわかりやすく解説します。この記事を読めば年金初心者でも国民年金のメリットについてわかります。
老齢基礎年金
老齢基礎年金とは?
まず一番は老齢基礎年金がもらえるということです。
突然、老齢基礎年金という新しい言葉が出てきて困惑している方も多いと思いますが、簡単にいうと、国民年金に入っていて老後にもらえる年金を老齢基礎年金といいます。
国民年金と言葉は変わってしまっていますが、みなさんが「年金をもらう」でイメージしているものが老齢基礎年金です。
受給要件(もらえる条件)
受給要件とはもらえる条件のことです。
保険料納付済期間と保険料免除期間などを合算した受給資格期間が10年以上ある場合に、65歳から受け取ることができます。
また、20歳から60歳になるまでの40年間の全期間保険料を納めた方は、65歳から満額の老齢基礎年金を受給できます。引用:日本年金機構ホームページ
難しい言葉で書いてありますが、簡単にいうと
- 10年以上、国民年金の保険料を払っている(免除となっている期間も含めて良い)
- 20歳~60歳の40年間しっかり国民年金の保険料を払うと、65歳からMAXの年金をもらえる
ということです。
もらえる年金の額
令和3年4月からは1年間に満額で780,900円です。
ここでチェックしておきたいのが、繰り上げ受給・繰り下げ受給です。
普通は65歳から年金をもらいますが、65歳より前に年金をもらい始めるのが繰り上げ受給、65歳より後に年金をもらい始めるのが繰り下げ受給です。
繰り下げ受給では1ヶ月はやめる毎に0.5%ずつ1年でもらえる年金額が減ります。繰り上げ受給では60歳からもらい始めると、もらえる額が1年で30%減って546,630円となります。
繰り上げ受給では1ヶ月遅らせる毎に0.7%ずつ1年でもらえる年金額が増えます。繰り下げ受給では70歳からもらい始めると、もらえる額が1年で42%増えて1,108,878円となります。65歳から受給のところを5年我慢して70歳から年金をもらい始めれば約77歳で差がなくなり、その後は普通の額より42%高い年金が毎年もらえるのでお得です。
70歳まで年金をもらわずに生活する余裕があるなら、繰り下げ受給した方が得な可能性があります。ただし、デメリットとしては77歳より早く死亡すると65歳からもらうよりは少なくなってしまいます。
また、もともと国民年金の保険料で払った金額のもとが何歳でとれるかを表にまとめました。(令和3年4月時点の保険料、受給額が続いたと仮定して計算しています。)
もらう年齢や保険料の払い方でやや差はありますが、74歳~77歳になると元がとれます。
障害基礎年金
これまでは、老後にもらえる年金について解説しました。
国民年金は老後ではなく、働き盛りに万一のことがあった場合にも保障があります。
国民年金の保険料を納めている最中に病気やケガで障害が残った場合には障害基礎年金という年金がもらえます。
障害が重ければ、年額780,900円+αがもらえます。ただし、保険料を一定の期間納めていないともらえないため、しっかり国民保険の保険料は納めましょう。
障害で働けなくても一定額がもらえるのは心強いですね。細かい条件については日本年金機構のホームページを参考にしてください。
遺族基礎年金
国民年金の保険料を払っている第1号被保険者が死亡した場合に家族はどうなるのでしょうか?
養うべき子供がいる場合は遺族基礎年金がもらえます。
もらえる人は、
死亡した者によって生計を維持されていた、
(1)子のある配偶者 (2)子子とは
18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子
20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子です。(保険料の支払い期間などの細かい条件もあります。)
引用:日本年金機構ホームページ
もらえる期間としては子が上の条件に当てはまらなくなるまでです。
つまり、子供が成長するまでの補助として遺族基礎年金がもらえます。
寡婦年金 死亡一時金
寡婦年金とは、10年以上の婚約期間がある夫(第1号被保険者)が死亡したときに、養われていた妻は60歳~65歳の間に年金がもらえます(他に細かい条件があります)。
簡単にいうと、夫に養ってもらっていた妻が、夫が死亡してしまったときに60歳~65歳まで年金がもらえます。妻が老齢基礎年金をもらうまでのつなぎになります。
死亡一時金は、遺族基礎年金が受け取れない場合に一定の遺族(配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹で遺族基礎年金を受給できない人)が最高320,000円もらえます。
寡婦年金と死亡一時金はどちらかしかもらえません。
まとめ
国民年金に入っていると、老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金、寡婦年金、死亡一時金が利用できるのがメリットです。
老齢基礎年金は繰り下げ受給で70歳からもらうのがお得ですが、早く死亡してしまうと元が取れなくなってしまうのがデメリットなので知っておいてください。77歳まで生きていられれば元が取れます。
なお、簡単に解説するために細かい条件を記載していない部分もありますのでご了承ください。詳細は日本年金機構ホームページをご参照ください。
それではお付き合いありがとうございました。
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