こんにちは、わびさびです。
慶応義塾大学医学部小児科教授の高橋孝雄先生が執筆された育児本「小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て」を読みました。
いろいろな育児本を読み、「子供が小さい頃からいろいろやらなきゃ。」、「あれをやっておけばよかった。」と焦るパパ・ママも多いと思います。幼児教育にプレッシャーを感じて疲れているパパ・ママにおすすめしたい本です。
「小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て」読んで印象に残ったポイント・感想をお伝えします。
早期教育はほとんど意味がありません
本書によると、子どもの能力や才能、性格までもが環境要因よりも遺伝子の力で大きく左右されます。
- 幼稚園のころから算数をやらせたからといって、数学者になれるわけではない。
- 幼稚園の年中のころに、ひらがなとカタカナの読み書きをマスターしたとしても、小学校1年生の2学期あたりにはリードがなくなってしまう。
と例が挙げられていて、なるほどと思いました。
だけど、以前の記事「『学力』の経済学」によると早期教育で非認知能力が鍛えられると将来豊かになる、と言っていたところと違っているのが気になりました。
この点については、本書での早期教育とは、計算や読み書きなどIQを高める教育を指しているようなので、「『学力』の経済学」と矛盾はしないと思います。
本書では、「先取の早期教育に時間をかけるくらいなら、視て、聞いて、ふれて、なめて、においをかぐといった実体験が大切」と言っており、小さい頃からいろいろな刺激を与える、というところは早期教育と通じるのではないでしょうか。
あくまでも、いわゆる「お勉強」に力を入れなくても大丈夫ですよ、と教えてくれています。
ヒラリー・クリントン流の子育て
米国大統領選挙でファイナリストになったヒラリー・クリントンさんには孫がいます。高橋先生がヒラリーさんの講演で聴いた子育てについての話によると、
育児はルーティーンとノンルーティーンに分けられます。
- ルーティーン:毎日行われる定型的な作業(おむつ換え、食事、昼寝の見守りなど)
→アウトソーシング(外注)してもいい。 - ノンルーティーン:ヒラリーさんの場合は絵本の読み聞かせ。
→人任せにしない。
ルーティーンについてはファミリーサポートや時間単位の託児など、サービスを利用してみると育児の負担が軽くなり、子供もお母さんも笑顔になれるかもしれない、と提案されています。
食事を外注にしたりして育児の負担を減らすのも一つの手ですね。他の項で食事に気を使って賢い子供に育つ根拠もなく、肩の力を抜いてもよい、と言われています。
共働きで家事に追われて子供と触れ合う時間がなくなるくらいであれば、食事を自分で作るのをやめてもいいですよ、と背中を押してくれます。
「共感力」、「意思決定力」、「自己肯定感」
本書によると子育てにいちばん大切なことは、子どもをしあわせに導く3つのちからです。
- 共感力:だれかの気持ちに寄り添える
- 意思決定力:自分のことを自分で決める
- 自己肯定感:生まれてきてよかった、自分は自分でいい、と感じる
共感力を伸ばすためには、子どもに共感してあげる。
意思決定力を伸ばすためには、子どもの選択を尊重してあげる。
自己肯定感を伸ばすためには、他人と比べない、こまめにほめる。
どれも意識すれば簡単にできそうですね。
子供に愛情をかけて、共感してあげ、子どもがした選択を無下にせず尊重してあげ、他人と比べず頑張ったことをほめてあげる。そうすれば幸せに育ってくれると信じて、子どもと接していきたいです。
まとめ
「小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て」を読んで印象に残ったポイント・感想をお伝えしました。
- 小さい頃からいわゆる「お勉強」に力を入れてもほとんど差がなくなる。
- ルーティーンはアウトソーシングしてもよい。ノンルーティーンを大切にする。
- 共感力、意思決定力、自己肯定感を伸ばす
この他にも心の負担が軽くなる話や高橋先生の経験談も多く入っていて癒された1冊でした。育児に疲れた方は是非読んでみてください。肩の力が抜けるはずです。
それではお付き合いありがとうございました。
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